皆さんは台湾ラーメンをご存じでしょうか?
台湾で一般的に食べられているラーメン……ではなく、名古屋で独自に進化したラーメンの一種で、一応台湾人の料理人の方がまかないとして作ったのが起源とされていますが、台湾では名古屋ラーメンと呼ばれたりもしている、ちょっと不思議なラーメンです。
今回レビューするのは「ローソン」の『麺処 若武者監修 特濃旨辛鶏台湾』。
その名古屋で一般的な台湾ラーメンを、福島の有名店『若武者』がカップ麺として監修したもの……というよくわからない存在となっています。
名古屋の台湾ラーメンというだけでも混乱するのに、福島のラーメン店がそれを監修するというのはちょっと謎ですよね。でも、この台湾ラーメンのカップ麺は結構珍しいので、ちょっと気になって手に取ってしまいました。
台湾ラーメンは一般的なラーメンとはまたちょっと違う癖があるので、そこが再現されているのか気になります! 早速レビューと行きましょう!!
ローソンの『麺処 若武者監修 特濃旨辛鶏台湾』の概要】
基本的な概要
メーカー | 酒税 |
種別 | 油揚げ麺 |
具材 | 味付鶏挽肉、ねぎ、にら |
スープ | 鶏白湯スープ、別袋特製油 |
価格(税込) | 218円 |
カロリー | 552キロカロリー(1包装あたり) |
商品説明
ローソンの公式サイト『ローソン研究所』の商品説明は以下の通りです。
福島県二本松市の人気店「若武者」とのコラボ商品です。湯戻し2分のかため極細麺。鶏白湯ベースに、唐辛子とラー油の辛味を利かせたスープが特長の商品です。
引用元:ローソン公式サイト
実際に食べてみる
蓋の宣伝文句を見ただけで混乱する存在感
頭にも書いたように、名古屋の台湾ラーメンという一文は結構混乱させてきますよね。知らない人が見たら「えっ、どっちなの?」と困惑すること請け合いです。
実際には台湾ラーメンはその辺のアジア系の方が経営している中華料理店などにいくと大体どこでも食べられる、割と全国区になりつつあるラーメンだったりしますが、普通のラーメン屋さんだと中々お目にかかることもないレアなものかもしれません。
スープは辛さメインで出汁などはあまり利いておらず、旨味も薄目、具材もニラやネギといった一般的なラーメンではあまりメインにもってこないようなものがメインになっているので、見た目からしてかなり特異だったりします。
今回は鶏白湯スープ、そして特製油付きという事ですが、これはもしや、筆者の知っている台湾ラーメンとは違う味になっているのではと、ひそかな期待と不安が入り混じった複雑な気持ちにさせてくれています。
蓋を開けるとニラ&ねぎ!
蓋を開けると、まず大量の粉スープと、それに埋もれる大量かつ大切りなニラ、そして細かく刻まれているねぎがお目見え。
というかそれしか入ってないんじゃというくらいに目立ちます。
粉スープにはちらほら唐辛子らしき赤い欠片が見え隠れ。唐辛子風味の辛口スープという定番の味は期待できそうです。
でも、同時に人を選ぶことにもなりそうでちょっと心配ですね。
ちなみにこのカップ麺は二分で食べられるようです。スピーディーでありがたいですね!
食べてみての評価
麺
一般的な油揚げの中太ちぢれ麺です。
量もそこそこ、食感も普通、と言いたいですが、二分で食べられるようになる都合上、麺もやや硬め。硬麺好きな方にはありがたい仕様ですね!
硬麺だと食べている間に柔らかなくなり過ぎないので、ゆっくり食べる人にもお勧めです。
その分喉に引っかかりやすくはなりますが……
スープ
いかにも台湾ラーメンと言った感じの辛口スープです。
これは担々麺のように甘めの風味が入ることなく、ただひたすらに辛く、そして薄目の味つけになっています。
鶏白湯スープという事ですが、味わいは一般的な台湾ラーメンとそう大した違いがないですね。
コンビニ担々麺と比べるとこちらの方がやや辛口ですので、辛いのが苦手な方はちょっとお勧めできないですね。
逆に辛口ラーメン初心者の方なら、これくらいから挑戦してみるといいかもしれません。
唐辛子主体の辛さの為、かなり頻繁にむせるのと、口の中がひりひりしてくる為、水などの冷たい飲み物が欲しくなってきます。
炭酸飲料は却って辛くなるので止めておきましょう。
具材
ほぼニラ。ニラの食感とニラの味しかしないです。
担々麺のように挽肉に味わいがある訳でもなく、挽肉そのものの量も乏しい為ほとんど具材はニラ以外食べた気になりません。
そしてそのニラもさほど食べ応えに影響するようなものでもない為、具材による満足感はあまり感じられません。
ただ、唐辛子の辛さが強めのスープに対し、ニラは相性がよく、食べていて身体がほくほくと温まってきます。冬場には嬉しい組み合わせと言えるでしょう。
せめてもうちょっと挽肉が多ければ、いい感じに満足感も跳ね上がるんですがねえ。
評価
(5段階評価・標準は★3つ)
麺 | ★★★★ |
スープ | ★★★ |
具材 | ★★ |
コスト | ★★★ |
総合 | ★★★ |
食べてみての感想などを
まあ、こんなものかな、といった感じですね。
台湾ラーメンをかなりいいところまで再現できています。ですが、台湾ラーメンをコンビニカップ麺として食べたいかというと微妙というか。かなりニッチな気がします。
筆者はそれほど嫌いではありませんが、ただ辛いだけのラーメンって、確かに体は温まるんですが万人向けではないんですよね。
旨味が強いだとか、辛いながらも甘さもあるだとか、そういう辛さなら割合多くの人でも食べられると思うのですが…。
そうでなくとも、例えば外出先、仕事の合間などに食べるのに辛いだけのラーメンを食べるかというとなかなか厳しいですよね。
また、激辛好きの方からすると物足りない程度の辛さしかないので、とても中途半端な位置にあると思うのです。
ただ、そういった面は置いておくと、麺は硬麺でいただけますし、スタンダードな分何も心配はなく、安心して食べられます。
スープも、台湾ラーメンを求めて買った方なら失望することはないでしょう。
いかんせん辛口なのでさっぱりとした、あるいは甘い飲み物があるといいでしょう。
具材に関しては多めに入っているニラがスープと合う、以上の褒めるべき点がありません。ねぎは小さいですし、味付挽肉は言うほど味がついていなくて量も乏しいので語るほどのものではありませんし。もうちょっとこう、具材で頑張ってほしかったですね。
以前レビューした「ファミマ」の『剛麺 とんこつ味』も、やはり具材ががっかり仕様で落胆させられましたし、この辺り各店ともに頑張って欲しいポイントですね。
具材ががっかりだと他がよくても満足度に大幅マイナスなのです。せめて普通のカップ麺くらいの量は欲しいですね。
最後にコストですが、まあ、これくらいのラーメンでこれくらいの価格なら、コスト面ではそこまでおかしくはないですね。味は期待した通りですし、総合的には妥当なラインと言えるでしょう。
いやあ、どんなものかと思ってみましたが、台湾ラーメンは台湾ラーメン以上の何かにはならない感じですね。
鶏白湯スープというのもさほど何か変わった感じもしませんでしたし、ただのはったりだったと思うとちょっと残念です。
ただ、台湾ラーメン好きな方なら期待通りの味ではあるので、気になる方は試してみてもいいかもしれません。
個人的には、やはり辛いラーメンは担々麺の方が楽しめるかなあ、といった感じでした。どちらも辛いしむせるラーメンではありますが、甘みがあるかないかでとっつきやすさが大分変わると思うんですよね。
どうかこのレビューをご覧になった台湾ラーメン好きな方が、この福島のラーメン店監修の名古屋の台湾ラーメンを試せますように。
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